Dear mom Vol.3
生命力
「奇跡のリンゴ」 2013年映画化されていたのですが、先日、ようやく 鑑賞致しました。
ご存じの方も多いと思います。なんでも、この無農薬リンゴ・・20年待ちのレアものなんです!
とにかく美味しいらしい!ぜひ食べてみた~い! ・・は、さておき、
最近は木村さん、全国どころか、世界中を飛び回って、奇跡の農法を教えてまわっているとのこと。そういえば市場にも奇跡の~シリーズ増えましたよね。
映画の内容は、大筋、原作通りでしたが、リンゴ畑と津軽農家の映像が、本を読むだけより、よく理解することができました。何年か前に本を読んだとき、リンゴの農薬散布の半端でない量を知り、びっくりしました。
年に10回以上も散布しなければできないリンゴ・・その無農薬栽培に挑戦した木村さん。そして苦節11年で「絶対不可能」を「可能」に。
成功の秘訣は、あきらめない心だったり、言葉がけだったり、たくさんあるとおもいますが、その中で今回はひとつ、「観察力」をあげたいと思います。「すべて観察からはじまる」これは、木村さんの著書:リンゴが教えてくれたことの第6章の題となっています。そしてその章の冒頭に「自然を見る、それも長く観察するということは、百姓仕事にとって一番大事なことです。」とあります。
これは、子育てにも、共通していえる事、ではないでしょうか。だって、「子どもを見る、それも長く観察するということは、親業にとって一番大事なことです。」・・どうですか?なかなかしっくりしてるでしょう。
本の中に、キュウリのひげの話が出てきます。ひげの前に指を出すと、巻きつく人と巻きつかない人がいるそうです。しかし、5,6歳の子どもは全員巻きつくそうです。まるで、キュウリにやさしい人だとか欲深いとか判定されているかのようだと。そして、木村さんはこう続けます。
植物はものを言いませんが、人間が言葉をわからないだけで、キュウリやトマト、イネ、白菜、キャベツも、すべての植物はきっと話かけているのではないかと思います。このことは見えない世界だから正しいかどうか分かりません。でも、キュウリだけは巻きつく巻きつかないがはっきり現れます。(本文より抜粋)
子どもたちも同じだと思います。子どもは、子ども好きなひとはすぐに見抜いて寄っていきますよね。木村さんのリンゴ育ての奮闘記は、子育てに参考になることが沢山つまっているなと思います。なぜなら、木村さんのリンゴ育ては、リンゴの木を観察しながら、リンゴがその生命力を最大限に活かせる環境づくりをしているのです。そしてその結果、台風にあっても負けないリンゴが出来上がりました。他の農家は壊滅的な被害(1991秋)を受けたというのにです。
どうしででしょうか、そのコツは? 以下、「奇跡のリンゴ」最終章より抜粋
おそらく最大の理由は、畑に余分な栄養分が存在していないからだろうと木村はいう。(中略)肥料を与えれば、確かにリンゴの実は簡単に大きくなる。けれど、リンゴの木からすれば、安易に栄養が得られるめに、地中深く根をはり巡らせなくてもいいということになる。(中略)現代の子ども達に免疫系の疾患が増えていることは周知のことだが、肥料を与えすぎたリンゴの木にも似たことが起きるのではないか。(中略)木村の畑のリンゴの木は、調べてみると20メートル以上も根を伸ばしていた。地上の枝や葉を見ればさほどの違いはないが、地下の根を見れば、まるで別の生き物である。(後略)
参考文献:奇跡のリンゴ 幻冬舎 リンゴが教えてくれたこと 日経新聞出版社
私たちも、木村さんの美味しいリンゴのような、生命力あふれる元気な子どもを育てていきたいですね。
七田式 池袋・大塚・田端教室 代表 市原 美歌